「うちの子、運動が苦手かも?」
「走り方がどこかぎこちない……」
お子さんの運動発達に、
そんな不安を感じていませんか?
実は、スポーツ庁の調査でも近年、幼児期からの「投げる力」など基礎運動能力の低下が指摘されています。
しかし、心配はいりません。
小学校入学前の5歳までの過ごし方が、その後の運動能力を大きく引き上げるカギになります。
今回は、理学療法士(PT)の視点から、文部科学省の指針や運動学習理論に基づいた、子どもの運動神経を劇的に変える「遊びのルール」を分かりやすく解説します。
なぜ「5歳まで」で運動神経が決まる?
「神経系の黄金期」

(参考:管理栄養士受験対策講座46年の実績)
人間の成長をグラフ化した「スキャモンの発育曲線」によると、
リズム感やバランス感覚、体の動かし方を司る「神経系」は、5〜6歳までに成人の約80%まで完成するとされています。
この時期に大切なのは、筋トレをして筋肉を大きくすることではありません。
「脳から出た指令を、いかに正確に筋肉に伝えるか」という回路
(神経ネットワーク)を作ることです。
この時期に構築された神経回路は、大人になっても消えにくい「一生モノの財産」になります。
文科省も推奨!「走る・投げる」はすべてのスポーツの基盤
文部科学省の『幼児期運動指針』でも、幼児期には特定のスポーツに偏らず「多様な動きを経験すること」が推奨されています。
パソコンやスマホに「OS(基本ソフト)」があるように、運動にも土台があります。
それが「走る・投げる」といった基本動作。
5歳までにこの「運動のOS」をスムーズにインストールしておけば、将来サッカーや野球、ダンスなど、どんな種目を選んでも技術の習得が驚くほど早くなります。
「走る」を変える3つの遊びルール
足が速い子と遅い子の差は、筋力よりも「足の着き方」と「姿勢のコントロール」にあります。
①「忍者走り」でつま先着地をマスター
ドタドタと踵(かかと)から着地する「ベタベタ歩き」は、生体力学(バイオメカニクス)的に見ると、地面からの反発力をブレーキとして受けてしまっている状態です。
- 遊び方
「敵に見つからないように、音を立てずに走ろう!」と声をかけ、忍者走りを促します。 - 専門的視点
自然と「つま先側(母指球付近)」での着地になります。
これによりアキレス腱のバネ(伸張反射)が使えるようになり、一歩の推進力が向上する可能性があります。
②「追いかけっこ」に急な方向転換を混ぜる
直線だけを走るのではなく、ジグザグ走行やストップ&ゴーを取り入れましょう。
- 遊び方
鬼ごっこの最中に「右!」「左!」「止まって!」と合図を出します。
合図が出たら一時的に指示に従う。 - 専門的視点
急な動きは、
自分の重心をコントロールする「敏捷性(アジリティ)」
「体幹の安定性(コアコントロール)」を養います。
発達が気になる子に多い「よく転ぶ」「姿勢が崩れやすい」といった悩みの改善にも繋がります。
③「腕振り」は後ろに引くのが正解
多くの親御さんが「腕を前へ振って!」と言いますが、実は逆です。
- 遊び方
「後ろにある太鼓を肘で叩くイメージで」と伝えてみてください。 - 専門的視点
肘を後ろに引くと、肩甲骨が連動して胸郭が開きます。
体幹の回旋運動がスムーズになり、骨盤が連動して自然に反対側の足が前に出やすくなるため、歩幅が無理なく伸びるはずです。
「投げる」を変える3つの遊びルール
スポーツ庁の『体力・運動能力調査』でも、長年課題とされているのが子どもの「投力低下」です。
「投げる」動作は、全身の協調運動(コーディネーション)が必要な、非常に高度な運動なのです。
①「紙鉄砲」で肘の使い方とスナップを覚える

不器用さ(協調運動の苦手さ)がある子に「ボールをちゃんと投げなさい」と言うより、新聞紙で作った紙鉄砲が効果的です。
- 遊び方
「パン!」と大きな音を鳴らす勝負をします。 - 専門的視点
音を鳴らす瞬間の手首の返し(スナップ)と肘の使い方は、投球のリリースポイントと似ています。
運動学習において、遊びの中で「勝手に」正しいフォームが引き出される環境設定は非常に有効です。
紙鉄砲の作り方はこちらを参考に👇
音が鳴る【紙鉄砲】の作り方!大きい音を出すコツとは?
②「遠くの的」より「高い的」を狙わせる
- 遊び方
地面の的ではなく、木の実や空にある雲を狙って「斜め上45度」へ放り出させます。 - 専門的視点
下から投げたり、地面に叩きつけたりする癖を防ぎます。
投射角を上げる意識を持つことで、下半身の踏み込みから指先まで力が伝わる「運動連鎖(キネティックチェーン)」を育てる訓練になります。
③楽しいで「苦手意識」を取り除く
- 遊び方
最初はスポンジボールや新聞紙を丸めたものを使います。
遠くに投げるより、親子でキャッチボールをする、
ゴミ箱に投げ入れる
など子供が楽しいと思える活動をします。 - 専門的視点
嫌な思いをすると、脳が防御反応を起こして筋肉が硬直(過緊張)し、フォームが崩れます。
まずは「捕れた!」「投げれた!」という成功体験を積むことで、リラックスしたスムーズな動作を引き出せます。
親がやりがちな「逆効果」な教え方
良かれと思ってかけた言葉が、運動学習のブレーキになっているかもしれません。
「もっと速く!」 精神論はNG
具体的な体の使い方が分からない子どもにとって、「速く!」という抽象的な指示はプレッシャーでしかありません。
過度なプレッシャーは筋肉を硬直させ、パフォーマンスを低下させます。
フォームを気にしすぎて「楽しさ」を奪う
5歳までは「綺麗なフォーム」よりも、内発的動機づけに基づく「思い切り動く楽しさ」が最優先です。
運動学習理論では、過程(フォーム)を細かく指摘するより、「今の紙鉄砲、すごくいい音がしたね!」と、結果のフィードバックを与える方が習得が早いとされています。
正しい環境(遊び)の設定があれば、フォームは後から自然に整います。
まとめ:小学校入学までに「運動好き」にするために
自信がつけば、体育の時間が「活躍の場」に変わる
「自分は体をうまく動かせる!」という自己効力感は、子どもの自己肯定感に直結します。
5歳までに運動の土台ができていると、小学校の体育が「苦手な時間」ではなく「得意を披露する時間」に変わります。
今日から公園でできる「10分間の魔法」
文部科学省は「幼児期は毎日合計60分以上、楽しく体を動かすこと」を推奨していますが、特別なトレーニング施設は必要ありません。
いつもの公園で、10分間だけ「忍者走り」や「紙鉄砲」を取り入れてみてください。
その小さな積み重ねが、お子さんの10年後の運動能力と自信を支える強固な土台となるはずです。
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