姿勢

子どもの転倒・骨折を防ぐ体づくり──骨・筋肉の発達と運動習慣

「うちの子、よく転ぶんです」「骨折を繰り返して心配」──そんな声を保護者の方からよく耳にします。子どもは成長の過程で転倒やケガをすることは珍しくありませんが、その背景には骨や筋肉の発達、そして運動習慣や食生活が大きく関わっています。実は、小児期の過ごし方が、大人になったときの健康リスク(骨粗鬆症や転倒・骨折リスク)にも直結しているのです。今回は、子どもの骨と筋肉の発達の特徴、骨折の疫学、そして食生活・栄養の影響について、科学的根拠をふまえて解説します。
姿勢

子どもの「集中力」を育てる体の使い方──姿勢・感覚刺激・運動との関係

「うちの子、すぐに集中が途切れてしまう」「宿題を始めても、なかなか机に向かえない」――そんなお悩みをよく耳にします。集中力は学習や遊びの基盤となる大切な力ですが、実は“体の使い方”と深く関係していることをご存じでしょうか?本記事では、子どもの集中力と 姿勢の安定・感覚刺激(前庭覚・固有覚)・運動習慣 の関係について、科学的な根拠をもとにわかりやすく解説します。
学校

環境調整が大切な理由 〜感覚・発達特性に寄り添う学びと生活のサポート〜

子どもたちが安心して学び、生活するためには「環境調整」がとても重要です。特に、発達特性をもつ子ども(ASD=自閉スペクトラム症やADHD=注意欠如・多動症など)や、感覚の過敏さ(聴覚過敏・視覚過敏・触覚過敏など)を抱える子にとって、周囲の環境は学習や生活の“しやすさ”に直結します。「行動を正す」ことよりも「環境を整える」ことを優先することが、子どもにとって優しく、持続可能な支援となります。今回は、教室や家庭で実践できる環境調整の工夫と、その背景にある科学的な根拠をご紹介します。
栄養

栄養と運動発達の関係──鉄・ビタミンD・タンパク質が運動能力に与える影響

子どもの運動発達には「練習や遊び」といった経験が大切ですが、同じくらい重要なのが「栄養」です。体を動かすエネルギーを生み出したり、筋肉や骨をつくったり、集中力を保つためには、体の中でさまざまな栄養素が働いています。今回は、その中でも特に注目したい「鉄」「ビタミンD」「タンパク質」が運動能力にどのように関わっているのかを科学的に解説し、さらに日常で実践しやすい食べ合わせや工夫についても紹介します。
感覚

運動嫌いな子が楽しめる「遊び感覚の運動療育」アイディア集

近年、子どもたちの体力低下が社会的な課題となっています。特に運動嫌いな子は、運動機会が少なくなることで体力や運動スキルの発達に影響が出ることもあります。しかし、運動嫌いの根底には「苦手だから避けたい」「失敗するのが怖い」といった心理的な要因も大きいのです。理学療法士の視点から見ると、運動嫌いな子どもには以下のような特徴が多く見られます。基本的な運動スキル(走る・投げる・ジャンプなど)が未熟感覚統合の難しさ(体の位置感覚やボールへの反応が苦手)体力や筋力の弱さによる疲れやすさ過去の失敗体験や競争がストレスになっているつまり、「楽しく」「安心して」体を動かせる工夫が必要です。そこで今回は、遊び感覚でできる運動療育のアイディアを、鬼ごっこ・ボール遊び・体操をもとに紹介します。さらに、年齢別の工夫も付け加えますので、ぜひお子さんに合わせて取り入れてみてください。
姿勢

ゲーム・スマホ依存と体の発達──デジタル生活が子どもに与える影響と対策

近年、子どもたちの生活に欠かせない存在となった「ゲーム」や「スマートフォン」。便利で楽しい一方で、「長時間の使用が体や心に悪影響を及ぼすのでは?」と不安を抱えている保護者の方も多いのではないでしょうか。この記事では、姿勢・睡眠・感覚統合という3つの観点から、デジタル生活が子どもに与える影響と、その対策について理学療法士の視点でわかりやすく解説します。
習慣

子どもと保護者・先生に知ってほしい「疲労の種類」とその付き合い方

最近「疲れたなぁ」と感じませんか?「疲れた」という感覚は、大人はもちろんですが子供たちも感じている感覚です。子どももまた、日々の遊びや学習、対人関係の中でさまざまな疲労を抱えています。保護者や先生方も、子どもの支援や日常の生活の中で知らず知らずのうちに疲労を積み重ねていることが多いでしょう。疲労は避けるべき「悪いもの」と思われがちですが、実は成長や生活習慣を見直すのサインでもあります。大切なのは「疲労の種類を理解し、適切に対応すること」です。本記事では、専門的な視点から疲労を整理し、子どもと大人の両方に役立つ考え方をお伝えします。
学校

夏休み明けに増える子どもの不調 ― 前庭感覚と生活リズムの整え方

夏休み明けは、朝起きられない集中が続かない姿勢が崩れる「学校に行きたくない」と言い出すこうした不調の背景には、生活リズムの乱れだけでなく、体の感覚(特に前庭感覚) が休み中に十分に使われず、調整力が落ちてしまっていることも関係しています。今回は、理学療法士の視点から、夏休み明けに起こりやすい不調とその対策について詳しく解説します。
発達

運動をすると勉強ができるようになるって本当? 運動と脳の関係について解説

「運動をすると勉強ができるようになるって本当?」という疑問をお持ちの方も多いと思います。実は、運動は脳にも良い影響を与え、学習の質を高める可能性があるということが、近年の研究で明らかになっています。この記事ではそのメカニズムをわかりやすく解説し、家庭でできる取り組みもご紹介します。
感覚

書籍紹介:『子どもの発達障害と感覚統合のコツがわかる本』

子育てや支援の場面で、こんなお悩みを抱える方は少なくありません。「子どもがすぐに癇癪(かんしゃく)を起こす」「落ち着きがなくて授業や家庭学習が進まない」「感覚が敏感すぎたり、逆に鈍すぎて心配」一生懸命に関わってもなかなか改善せず、「どうしてうちの子はこんなに大変なんだろう」と感じてしまうこともあるでしょう。そんな時に役立つのが、感覚統合という視点です。子どもの「困った行動」の背景を理解し、少しの工夫でサポートできる方法を紹介してくれる本があります。今回の記事では、その一冊をご紹介します。