子供の運動習慣・外遊びが減少している今──体力低下・肥満のリスクと私たちにできること

習慣

「最近、外で遊ぶ子どもが減った」「運動が苦手、すぐ疲れてしまう」
こうした声をよく耳にするようになりました。

現代の子どもたちは本当に体を動かす機会が減っているのでしょうか?
もしそうなら、どんな背景や問題があるのでしょうか?


この記事では、公的データや科学的根拠をもとに、子どもの運動習慣や体力低下・肥満の現状を掘り下げ、私たちにできることを提案します。


■データで見る「運動習慣・外遊びの減少」

●公的調査が示す“運動量の減少”

  • 文部科学省「体力・運動能力調査」(令和5年度)によると、小学生・中学生の体力合計点は1990年代後半と比べて低い水準にとどまっていることが明らかになっています。
  • 同調査では、「週に1回も外で遊ばない子」が小学6年生で約16%、中学2年生で約30%にものぼるという結果が出ています。
  • 厚生労働省「国民健康・栄養調査」でも、子どもの1日あたりの平均歩数が年々減少傾向にあると報告されています。

●新型コロナ以降、さらに加速

  • 日本小児保健協会の2022年調査では、コロナ禍による「外遊び時間の減少」「運動機会の喪失」が体力低下・運動不足をより深刻にしていると指摘されています。
  • スマホやゲームなどの室内型娯楽の普及も、運動習慣減少の一因とされています。

■運動不足の背景・原因

1. 生活環境・社会の変化

  • 都市化や交通量増加で安全な遊び場が減少
  • 共働き家庭の増加により、放課後や休日に子どもを外で遊ばせにくい状況
  • 塾や習い事の増加で、自由遊びの時間が減少

2. デジタル機器・メディア利用の拡大

  • スマホ・タブレット・ゲーム・動画視聴など、“室内型娯楽”の魅力が増加
  • 家族や友人と顔を合わせて遊ぶ機会より、個人でデジタル端末に向かう時間が増加

3. 新型コロナによる影響

  • 公園や体育館の閉鎖、イベントやスポーツ大会の中止
  • 家で過ごす時間の増加が“定着”し、コロナ明けも戻らない傾向

4. 保護者や学校の不安・安全志向

  • 「ケガをさせたくない」「事件や事故が心配」という声から、子どもだけで外遊びする機会が減少
  • 「外遊びは危ない」「汚れるのが嫌」という価値観の変化

■身体を動かすことが減ったことによる問題点

●体力や運動能力の低下

  • 文部科学省の体力テスト(20mシャトルラン、握力、上体起こしなど)で、小中学生の体力合計点が長期的に低下傾向
  • 特に「持久力」「筋力」「柔軟性」の低下が顕著

●肥満や生活習慣病のリスク増大

  • 厚生労働省「学校保健統計」では、肥満傾向児の割合が増加(特に男子で増加傾向)
  • 子ども時代の肥満は、大人になってからの生活習慣病やメタボリックシンドローム発症リスクを高めることが国内外の研究で示されています

●運動神経・協調運動能力の低下

  • 幼児・小学生を対象とした研究(理学療法学など)でも、「運動経験が少ない子どもほど、ボール投げ・跳び箱・縄跳びなどの協調運動が苦手」になる傾向が明らかになっています
  • 運動の「土台」(バランス・体幹・感覚統合)の発達が不十分になりやすい

●心身の健康への悪影響

  • 運動不足は「集中力低下」「情緒不安定」「ストレス耐性の低下」「睡眠の質低下」とも関連
  • 外遊びや運動には「自己肯定感」や「社会性」「コミュニケーション能力」を育てる効果があるが、その機会も減少

■このままではどんなリスクがあるのか

  1. “できる子”“苦手な子”の二極化が進む
    • 習い事やスポーツクラブに通える子と、そうでない子の「運動経験格差」が拡大
  2. 運動嫌い→運動不足→さらなる体力低下、肥満の悪循環
    • 苦手意識や自信のなさが積み重なり、将来の健康リスクにつながる
  3. 健康だけでなく、学びや心の成長にも影響
    • 体を動かすことで「脳の発達」「気分転換」「自己肯定感」が育まれる

■科学的根拠・参考データ


■これから必要なのは「個々に合った運動・外遊び」と“体力づくり”の発想

  • “とにかく外で遊べ”ではなく、その子の発達段階・特性に合った運動体験が重要
  • 家庭でもできる簡単な運動・遊びや、楽しく続けられる工夫がカギ
  • 子ども自身が「できた!」「楽しい!」を感じられる環境づくり

■まとめ

子どもたちの運動習慣や外遊びは、社会や家庭のあり方、生活環境の変化とともに大きく減少しています。


体力や運動能力の低下、肥満、将来の健康リスクを防ぐには、
今こそ“身体を動かすこと”の価値を見直し、日常の中に取り入れる工夫が必要です。

運動は「得意・不得意」だけでなく、 “その子なりのペース”で「楽しく続けること」が最も大切です。
家族や地域、学校が協力し、「体を動かすことが当たり前の毎日」を子どもたちに取り戻しましょう。

すこっぴーラボでは、お子さん一人ひとりの特性や動きの特徴を丁寧に見きわめ、その子に合ったサポート方法をわかりやすくご提案しています。
無料相談も受け付けていますので、ご興味のある方はお気軽にご連絡ください。

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