ゲーム・スマホ依存と体の発達──デジタル生活が子どもに与える影響と対策

姿勢

近年、子どもたちの生活に欠かせない存在となった「ゲーム」や「スマートフォン」。
便利で楽しい一方で、「長時間の使用が体や心に悪影響を及ぼすのでは?」と不安を抱えている保護者の方も多いのではないでしょうか。

この記事では、姿勢・睡眠・感覚統合という3つの観点から、デジタル生活が子どもに与える影響と、その対策について理学療法士の視点でわかりやすく解説します。


1. ゲーム・スマホが子どもの姿勢に与える影響

姿勢が崩れる理由

  • スマホやゲームを操作するとき、子どもはどうしても うつむき姿勢(ストレートネック)になりやすい。
  • 長時間同じ姿勢を続けることで、背中が丸くなる「猫背」、骨盤の後傾、首や肩のこりが生じやすくなる。
  • 成長期の子どもでは、筋肉や骨格がまだ柔らかいため、体のゆがみや成長への影響も懸念される。

研究では、スマホ使用時間が長い子どもほど頭痛・肩こり・腰痛の発症リスクが高いことが報告されています。また、姿勢の乱れは集中力の低下や運動能力の発達にも影響する可能性があります

ご家庭でできる工夫

  • 30分に一度は立ち上がって体を伸ばす「ストレッチ休憩」を取り入れる。
  • ゲームやスマホをする際は、机に肘を置く・端末を目の高さに近づけるなど、うつむき姿勢を減らす工夫をする。
  • 家庭で「ながら運動」(例:スクワットしながらゲームのロード画面を待つ)などを取り入れて、体を動かすきっかけを増やす

2. 睡眠への影響

なぜ睡眠が乱れるのか

  • スマホやゲームの画面から出るブルーライトは、脳を覚醒させ、睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌を抑制する。
  • 寝る直前までの使用は「寝つきの悪さ」や「眠りの浅さ」につながる。
  • 睡眠不足は成長ホルモンの分泌を妨げ、体の発達や学習効率の低下につながる。

ご家庭でできる工夫

  • 就寝の1時間前には画面を見ない「デジタル・サンセット」を習慣にする。
  • ゲームやスマホをする時間を一日のルールとして親子で一緒に決める。
  • 夜は照明を少し落とし、体をリラックスさせる習慣(ストレッチや読書)を取り入れる。

3. 感覚統合への影響

感覚統合とは?

「感覚統合」とは、目や耳、体の動き、触覚などから得た情報を脳で整理して、適切な行動につなげる力のことです。これは運動・学習・人とのやり取りに欠かせない発達の土台です。

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デジタル依存で心配されること

  • ゲームや動画は視覚・聴覚に偏りやすく、体を使った多様な感覚経験が不足しやすい。
  • 外遊びや友達との関わりが減ると、バランス感覚・筋力・社会性の発達に影響する可能性がある。
  • 感覚の刺激が偏ることで、集中力が続かない・イライラしやすいなどの行動にもつながる。

ご家庭でできる工夫

  • 一日15分でもよいので、全身を使った遊び(公園遊び、ボール遊び、鬼ごっこ)を取り入れる。
  • 雨の日は、タオル引き・風船バレー・新聞紙遊びなど、家の中でも体を使える工夫を。
  • ゲームやスマホも「ごほうび」や「ルールを守る練習」として位置づけ、バランスを大切に。

4. 保護者ができるサポートのポイント

  • 禁止ではなく、バランスを意識する
    「やめなさい」と禁止するより、ルールやタイマーを活用し、子どもと一緒に工夫する姿勢が大切です。
  • 体と心のサインを見逃さない
    姿勢が崩れてきた、よく眠れない、イライラが増えたなど、小さな変化が信号になります。
  • 生活リズムを整えることが最優先
    デジタル時間の調整だけでなく、外遊び・食事・睡眠のリズムを整えることが、発達を支える基盤となります。

まとめ

ゲームやスマホは現代の子どもたちにとって切り離せない存在です。大切なのは「使わせないこと」ではなく、どう付き合うか姿勢・睡眠・感覚統合の観点から工夫を取り入れることで、子どもの体と心の発達を守ることができます。

保護者の方が安心してサポートできるように、私たち専門職も一緒に考え、支える役割を担っています。


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