【PT厳選】姿勢が悪い小学生への運動療育5選 自宅でできる簡単トレーニング

姿勢

「何度注意しても姿勢が崩れる」
「椅子に座っていられない」
こうしたお悩みを持つ親御さんは多いですが、実はこれはお子さんの「やる気」の問題ではありません。

発達支援の現場では、
姿勢の悪さを「感覚統合(脳の感覚処理)」や「抗重力伸展活動(重力に抗う力)」の視点から分析します。

今回は理学療法士の視点から、
脳神経科学的な裏付けに基づいた、
自宅でできる「姿勢改善のための運動療育」を5つご紹介します。


科学的視点:なぜ姿勢が悪くなるのか?

理学療法学的に見ると、姿勢保持には主に3つの要素が関係しています。

  1. 固有受容覚の未発達
    「自分の手足が今どこにあるか」
    「どれくらい力が入っているか」を感じる感覚です。
    これが弱いと、脳が自分の体の傾きを検知できず、無意識に姿勢を直すことができません。
  2. 前庭覚と抗重力筋の連動不全
    耳の奥にある「前庭」は、揺れや傾きを感じ取ります。
    通常、頭が傾くと反射的に背中の筋肉(抗重力筋)にスイッチが入りますが、
    この連携がうまく働いていないと、重力に負けてグニャッとしてしまいます。
  3. 低緊張
    安静時の筋肉の張りが弱い状態です。
    姿勢を保つだけで過度なエネルギーを消費し、
    すぐに疲れて机にもたれかかってしまいます。

これらを改善するには「筋トレ」ではなく、
脳に適切な感覚入力を行う「遊び」が最も効果的です。


脳と体に効く!自宅でできる運動療育遊び5選

それぞれの遊びが
「どの感覚」や「どの機能」にアプローチするのか、科学的根拠を添えて解説します。

1. 手押し車

【固有受容覚の入力と肩甲帯の安定】

  • やり方:
    お子さんが床に手をつき、
    大人が足首(または膝)を持って支えて前進します。
  • 科学的メカニズム:
    床に強く手をつき体重を支えることで、手首や肘、肩の関節に圧がかかります。
    これにより固有受容覚が強く刺激され、脳に「自分の体はここにある」という情報が送られます。
    また、勉強や食事時の姿勢保持に不可欠な「肩甲帯(肩甲骨周り)」の安定性を高める効果が非常に高い運動です。
  • PTのポイント:
    お腹の力が抜けないように、お尻が落ちてきた場合は
    「お尻上げてみて」と声掛けをしてあげましょう。

2. スーパーマンのポーズ

【抗重力伸展活動の強化】

  • やり方:
    うつ伏せになり、両手両足を浮かせてキープします。
  • 科学的メカニズム:
    人間が直立二足歩行をするために必要な、背面の筋肉群(脊柱起立筋、殿筋、ハムストリングス)を一斉に収縮させる運動です。
    これを「抗重力伸展活動」と呼びます。
    猫背のお子さんは体の前側の筋肉が縮こまりやすいため、背面を収縮させてバランスを整えます。
  • PTのポイント:
    「手足を遠くに伸ばす」意識で行うと、筋肉の収縮だけでなくストレッチ効果も加わり、筋肉の柔軟性が向上します。

3. 風船バレー

【前庭覚と眼球運動の統合】

  • やり方:
    風船を床に落とさないように、上を見上げながらラリーを続けます。
  • 科学的メカニズム:
    ふわふわ動く風船を目で追う(追視)ことで、眼球運動のトレーニングになります。
    さらに重要なのが「上を見上げる」動作です。
    頭を動かすことで前庭覚が刺激され、それがスイッチとなり、反射的に背中を伸ばす反応がみられます。
  • PTのポイント:
    姿勢が悪い子は、黒板とノートの視線移動が苦手な傾向があります。
    風船を目で追い続ける活動は、
    学習時の「見る力」の土台作りとしてとても良い運動です。

4. タオル綱引き

【同時収縮による体幹固定】

  • やり方:
    向かい合って座り、タオルの両端を持って引っ張り合います。
  • 科学的メカニズム:
    不安定な状態で引っ張り合うと、倒れないように体のお腹側(腹筋)と背中側(背筋)の筋肉が同時に力を入れます。
    これを「同時収縮(Co-contraction)」と呼びます。
    この同時収縮こそが、関節をガチッと固定し、姿勢を安定させる要となります。
  • PTのポイント:
    急に手を離すなどの意地悪はせず、じわじわと力を入れ合うことで、インナーマッスルに持続的な刺激が入ります。

5. クモ歩き(逆四つ這い)

【協調運動と上肢支持性の向上】

  • やり方:
    仰向けの状態から手足を床につき、お腹を上に向けて進みます。
  • 科学的メカニズム:
    手足の4点をバラバラに動かす必要があり、脳内での高度な運動企画(どう体を動かすかの計画)が求められます。
    また、普段縮こまっている胸郭(胸周り)を開く姿勢になるため、呼吸が浅くなりがちな姿勢の悪い子にとって、呼吸機能を高めて脳への酸素供給を助ける効果も期待できます。
  • PTのポイント:
    お尻が床につかないように持ち上げ続けることで、骨盤を支える殿筋群と、背骨を支える筋肉への強力なアプローチになります。

理学療法士からのメッセージ:姿勢は「学習」の土台

姿勢をコントロールしているのは、筋肉だけでなく「脳の感覚処理システム」です。

今回ご紹介した遊びは、感覚入力を通して脳の発達を促すアプローチ。

姿勢が安定すると、
身体を支えるために使っていた脳のエネルギーを「勉強」や「先生の話を聞くこと」に回せるようになります。


つまり、
姿勢へのアプローチは、学習支援や集中力向上への最短ルート
でもあるのです。

1日5分、楽しみながら「脳への感覚入力」を続けてみてください。お子さんの座り姿が、少しずつ、でも確実に変わってくるはずです。

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