「背を伸ばすために、毎日牛乳を飲ませています」
「好き嫌いが多くて、ご飯を食べてくれません」
親御さんから多く相談されるのが「食事」の悩みです。
記事①【基礎編】では、
「エネルギー不足(カロリー不足)」こそが成長を阻害する最大の要因
とお伝えしました。
実は、「牛乳さえ飲めば背が伸びる」というのは昔の常識です。
むしろ、牛乳でお腹がいっぱいになり、肝心の「ご飯」が食べられなくなっているケースも少なくありません。
今回は、身長を伸ばすための「エネルギー管理」と、成長スイッチを入れる「微量栄養素」の摂り方について解説します。
「カルシウム神話」の落とし穴
まず誤解を解いておきましょう。
「カルシウム」は骨を強くする材料ですが、骨を長く伸ばす材料ではありません。
家づくりで例えるなら、カルシウムは「コンクリートや壁材」です。
これだけあっても、家(身長)は大きくなりません。
家を大きくするためには、「柱(タンパク質)」と、大工さんを動かす「給料(エネルギー)」が必要です。
- カルシウム: 骨を硬くする
- タンパク質: 骨の土台(コラーゲン)を作る
- エネルギー: 身体を大きくする活動源
まずは「牛乳一辺倒」をやめ、
「エネルギー」と「タンパク質」を確保することから始めましょう。
最優先は「エネルギー不足」の解消
「痩せっぽちで背が高い子」もいますが、
多くの場合、成長期にエネルギーが足りていないと、身体は「防衛モード」に入ります。
生命維持(心臓を動かす、体温を保つ)を最優先にし、命に関わらない「身長を伸ばすこと」を後回しにしてしまうのです。
これをスポーツ医学では「利用可能エネルギー不足」と呼び、成長障害の大きな原因とされています。
「ご飯(炭水化物)」は悪じゃない
最近は糖質制限が流行っていますが、成長期の子どもに糖質制限は厳禁です。
炭水化物(ご飯、パン、麺)は、身体を動かすガソリンです。
ガソリンが満タンであって初めて、余ったエネルギーが成長に使われます。
食が細い子への「脂質」活用術
「ご飯をたくさん食べられない」というお子さんには、良質な「脂質」でエネルギーを補うのが有効です。
脂質は1gあたり9kcalあり、少量の摂取で効率よくエネルギーを稼げます。
- MCTオイル(中鎖脂肪酸)
消化吸収が早く、すぐにエネルギーになります。
無味無臭なので、味噌汁やヨーグルトに小さじ1杯混ぜるだけでOK。
発達支援の現場でも、食が細い子のエネルギーアップによく使われます。 - アマニ油、えごま油
脳の発達にも良いオメガ3脂肪酸が含まれています。
成長スイッチを入れる「亜鉛」と「タンパク質」
エネルギーが確保できたら、次は「骨を伸ばす材料」です。
特に重要なのが以下の2つです。
① 骨の土台を作る「タンパク質」
骨はカルシウムの塊だと思われがちですが、実は体積の半分は「コラーゲン繊維(タンパク質)」でできています。
鉄筋コンクリートの「鉄筋」にあたるのがタンパク質で、「コンクリート」にあたるのがカルシウムです。
- おすすめ食材
肉、魚、卵、大豆製品 - ポイント
朝食でタンパク質が不足しがちです。「朝はパンだけ」ではなく、ゆで卵やチーズ、納豆ご飯などをプラスしましょう。
② 成長ホルモンの鍵「亜鉛(あえん)」
意外と知られていませんが、「亜鉛」は成長において最も重要なミネラルの一つです。
細胞分裂を促し、成長ホルモンの働きを助ける役割があります。
日本の子どもは亜鉛不足の傾向にあり、
身長が伸び悩んでいる場合、亜鉛不足が隠れていることがよくあります。
- おすすめ食材
牡蠣(カキ)、牛肉(赤身)、レバー、カシューナッツ、ごま - 裏ワザ
白米に「すりごま」をかけたり、おやつにナッツ類(アレルギーがなければ)を取り入れるのが手軽です。
「3食+補食」でチャンスを増やす
胃が小さくて一度にたくさん食べられない子や、発達の特性で食事に集中できない子にとって、
1日3食ですべての栄養を摂るのは至難の業です。
そこで取り入れたいのが「補食(ほしょく)」という考え方です。
「おやつ=お菓子」ではありません。
「おやつ=4回目の食事」と考えます。
おすすめの「背が伸びる補食」
スナック菓子やジュースではなく、以下のものを「捕食」として与えてみてください。
- おにぎり(鮭・ツナ)
エネルギーとタンパク質を同時に摂取。 - バナナ・ヨーグルト
すぐにエネルギーになり、整腸作用も。 - チーズ・ゆで卵
手軽なタンパク源。 - きな粉牛乳
牛乳にきな粉(タンパク質・食物繊維)をプラス。
「夕飯前にお腹がいっぱいになるからダメ」と制限するのではなく、
「夕飯の一部を先取りしている」と考え、トータルの摂取量を増やすことが大切です。
まとめ:食事は「楽しい」が一番の栄養
- 牛乳などのカルシウムだけでは背は伸びない
- まずは「エネルギー(炭水化物・脂質)」を満タンにして、
身体の「成長モード」をオンにする - 骨の鉄筋となる「タンパク質」と、細胞分裂を促す「亜鉛」を意識する
- 一度に食べられない子は「補食」で回数を稼ぐ
最後に、最も大切なことをお伝えします。
それは、「無理やり食べさせないこと」です。
「食べなさい!」と叱られながら食事をすると、
ストレスホルモン(コルチゾール)が分泌され、栄養の吸収が悪くなるだけでなく、成長ホルモンの分泌も抑制されてしまいます。
親御さんが必死になりすぎず、
まずは「MCTオイルを混ぜてみようかな」「おやつにおにぎりを出してみようかな」という小さな工夫から始めてみてください。
次回は、食事と同じくらい重要な「睡眠の質」と「運動」について解説します。
「寝る子は育つ」は本当ですが、ただ長く寝ればいいわけではありません。
▼ 次に読む記事 記事③:【運動・睡眠編】「22時に寝る」は間違い?成長ホルモンをドバッと出す「深睡眠」のコツ
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