「うちのような施設がなくても良い社会が理想」 ~放課後デイサービスを訪れて感じた、子どもの成長と関わりの本質~

雑談

先日、放課後等デイサービスを見学させていただきました。
場所は「はとやま」にある、民家を活用した小さなデイサービス。
玄関をくぐった瞬間、ふっと肩の力が抜けるような、不思議な温かさを感じました。

どこか懐かしい匂い。畳の感触。
そしてそこにいるのは、夏休み中の子どもたち。
決まったプログラムがあるわけではなく、それぞれが好きな遊びを楽しみ、時にはスタッフと話し、時には友達同士で笑い合っています。

「療育」を前面に押し出しはせず、むしろ「子どもの居場所」「遊び場」としての空気感が強く、20年前には当たり前だった地域の温かさを思い出させてくれる場所でした。


型にはめない関わりが生む、自然な学び

この施設が大事にしているのは「型にはめない支援」
決まったプログラムではなく、その子の気持ちや状態に合わせて一緒に過ごす。

特別な療育手法を使っているわけではありません。
でも、遊びや日常の関わりの中で、子どもたちは確かに学び、成長していました。

風船で遊ぶ中で目と手の協調運動を鍛える。
ゲームで遊ぶ中で指先の微細運を打を刺激する。
スタッフとの会話の中で、自分の思いを言葉にする練習をする。

「成長させる」のではなく、「成長を見守る」
この姿勢が、子どもたちの生き生きとした表情を引き出しているのだと感じました。


現代では貴重になった「子ども同士が自然に関わる場」

私自身、子ども時代は放課後になると近所の友達が自然に集まり、家や公園で遊んでいました。
異年齢の子と一緒に遊ぶことも、兄弟げんかのようにぶつかることも、全部が成長の糧でした。

でも、今の子どもたちにはそういう場が少ない。
学校以外の友達と触れ合う機会も減り、外で自由に遊ぶ時間も限られています。

このデイサービスは、そうした関係を取り戻す「小さな地域の縮図」のようでした。
発達に課題のある子どもにとって、友達を作ることは簡単ではありません。
だからこそ、このような場は本当に貴重です。


課題は「続けていくこと」

一方で、見学していて感じたのは、こうした施設の「持続可能性」の難しさです。
一人ひとりに合わせた支援には、人手も時間も必要です。
国からの給付はあるとはいえ、限られた資源の中で続けていくには相当な努力が求められます。

スタッフの方もこう話していました。

「理想は、うちのような施設がなくてもいい社会になること」

つまり、子どもの発達を支える場や人が、家庭や学校、地域の中に自然に存在する社会。
支援が「特別な場所」だけで完結せず、日常の中で当たり前に行われる社会です。


専門家として感じた「支援の奥深さ」

私は理学療法士として、子どもの発達や動きを分析することに自信を持っていました。
しかし、今回の見学で強く感じたのは、それだけでは不十分だということです。

身体の発達や運動機能の向上は確かに大切。
でも、それを生かすためには「人との関わり」や「安心できる居場所」が必要不可欠です。
そして、それらは数値や検査では測れない、目に見えにくい部分でもあります。

支援は技術や知識だけでは成り立たない。
相手の生活や感情まで含めて寄り添う必要がある。
そんな支援の奥深さを改めて実感しました。


子どもの発達は「関係性」の中で育まれる

子どもは、親や先生、友達、地域の人との関わりの中で成長します。
その関係性が豊かであるほど、心も体も伸びやかに育っていきます。

だからこそ、私自身はこれからも、運動や身体の発達のサポートを通じて、子どもが関係性を築きやすくなる土台作りをしていきたいと思います。
一人では限界があっても、保護者・学校・地域・支援者が手を取り合えば、子どもたちが安心して育つ環境は必ず作れるはずです。


まとめ

今回訪れた放課後等デイサービスは、単なる「支援の場」ではなく、子どもたちにとっての「居場所」であり「人との関わりの学び場」でした。
そして、そこにあったのは、支援の専門性と、家庭的な温かさが絶妙に混ざり合った空間。

「うちのような施設がなくても良い社会」という言葉は、支援者だからこそ出てくる深い願いなのだと感じます。
その理想に向けて、私もできることを一歩ずつ続けていきたいと思います。


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