はじめまして!
理学療法士の ゆうだい です。
このブログでは、発達や運動に不安のあるお子さんを持つ親御さんに向けて、「身体の動き」や「感覚の土台づくり」をわかりやすくお伝えしています。
今回は、こんなお悩みを持つ方に向けての記事です。
「うちの子、グレーゾーンかも?」と思ったときに感じる不安
・集団行動が苦手
・癇癪が激しい
・落ち着きがない、よく動き回る
・音や触覚に敏感
・先生に「少し気になるところが…」と言われた
でも病院で診断はつかない。発達支援の対象にもならない。
――それでも「育てにくさ」がある。
このような状態を「グレーゾーン」と呼ぶことがあります。医学的な用語ではありませんが、親御さんの不安や戸惑いをよく表す言葉です。
結論から言うと、診断がつかなくても、その子にとって適切な支援は可能です。
むしろ、はっきり診断名が出ないからこそ、親御さんの気づきや対応がとても大切になります。
理学療法士の視点から見る「グレーゾーンの子どもたち」
理学療法士(PT)や作業療法士(OT)は、ケガや障害のリハビリだけでなく、子どもの発達段階や感覚・動きの土台をみる専門職です。
私たちは、「この子は発達障害かどうか?」というラベルではなく、
✔ どの感覚が過敏・鈍麻になっているか
✔ 体の使い方にどんな特徴があるか
✔ どんな場面で困りやすいのか
といった“具体的な身体・動作の観察”から、その子に合ったアプローチを考えていきます。
動作分析についてはこちらの記事を
子どもの問題行動は「体と感覚」が原因かも? 〜理学療法士が動作から読み解く発達のサイン〜
実は多い!「からだ」からくる発達のつまずき
子どもの「困った行動」の背景には、感覚や運動の未発達が潜んでいることがあります。
たとえば:
- 落ち着きがない子:実は「前庭感覚(バランス感覚)」が不安定で、無意識に動いて安定をとろうとしている
- 姿勢が悪い子:固有感覚が育っておらず、どこに力を入れればいいのか分かりづらい
- 指先が不器用な子:触覚が過敏で、細かい作業を避けてしまう
これらは全て、「脳が感覚情報をうまく整理・統合できていない」ことが原因かもしれません。
つまり、感覚統合”の未熟さです。
感覚統合についてはこちら
「感覚統合ピラミッド」とは?子どもの運動・落ち着き・集中力を伸ばす家庭ワーク集
家庭でできる、やさしいサポート
診断がつかなくても、おうちでできることはたくさんあります。
✔ 身体をたくさん動かすあそび
・ブランコや滑り台で前庭感覚を刺激
・雑巾がけやトンネルくぐりで固有覚とバランスを養う
✔ 感覚に寄り添う関わり
・「触ってほしくない」感覚があるときは無理に触らず、安心する素材を見つけてみる
・音やにおいが苦手なときは、落ち着ける環境を一緒に整える
✔ 小さな「できた!」を一緒に喜ぶ
・本人のペースを尊重し、うまくいったときはたくさん褒める
・「できるようになる」より、「楽しくやってみる」を大切に
相談先が見つからない…という方へ
「病院に行くほどではない気がする」
「どこに相談すればいいのか分からない」
そんな時は、理学療法士や作業療法士など、発達支援の経験がある専門家へのオンライン相談も選択肢のひとつです。
当ブログでも、今後オンラインでの評価や支援を行っていきます。
お気軽にご相談ください。
まとめ:診断より大切な「気づき」と「関わり」
「グレーゾーンかも…」と感じたとき、親御さんが最初にできる一番大切なことは、
“困っている行動の背景に何があるのか”を見つけようとする姿勢です。
診断がつく・つかないに関わらず、
お子さんの育ちに必要な「感覚・身体の土台」を整えることで、ぐんとラクになることもあります。
焦らず、比べず、その子のペースで。
その手助けを、専門職としてお手伝いできたら嬉しいです。
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