■ バランス感覚が育ちにくい子の特徴とは?
お子さんの中には、「よく転ぶ」「じっと座っていられない」「姿勢が崩れやすい」といった特徴を持つ子がいます。
こうした場合、バランス感覚(平衡感覚)や体幹の安定性が十分に育っていない可能性があります。
バランス感覚とは、耳の奥にある前庭(ぜんてい)感覚という器官が中心となって、体の傾きや動きを感じ取り、姿勢をコントロールする力のことです。
この感覚は、「立つ」「歩く」「ジャンプする」といった基本的な動作だけでなく、集中力や学習姿勢にも影響します。
例えばこんな特徴が見られることがあります:
- 遊具(平均台・滑り台など)が苦手
- イスに座っていると体が傾く
- 足の裏や手のひらの感覚に敏感 or 鈍感
- 動きがぎこちない、リズムに乗りにくい
このような子どもたちには、家庭でも楽しく体を使える環境づくりがとても大切です。
■ 家庭で取り入れやすい「バランス感覚あそび」の考え方
家庭でバランス感覚を育てるときに大切なのは、
「運動トレーニング」というよりも “遊びながら自然に育てる” という視点です。
理学療法の観点から見ると、バランス感覚は次の3つの感覚が連動して育ちます。
- 前庭感覚(体の動きや傾きを感じ取る)
- 固有感覚(筋肉や関節の動きを感じる)
- 触覚(足の裏や手のひらで感じる)
この3つをバランスよく刺激できる「遊びの環境」がポイントです。
例えば、「バランスボードの上でボールを投げる」「片足で立って積み木を取る」といった遊びは、まさに感覚統合を促す良い例です。
■ おすすめグッズ5選:家庭でできる!バランス感覚を育てるアイテム
ここからは、理学療法士の視点で選んだ、家庭でも簡単に取り入れられるおすすめグッズ5選をご紹介します。
① バランスボード
不安定な板の上に立つことで、体幹の筋肉やバランスを整える力を育てます。
最初は支えながらでもOK。慣れてきたら「両手を広げて立つ」「ボールを受け取る」などに挑戦しましょう。
メリット:
- 前庭感覚と体幹の協調性が育つ
- 足裏感覚の刺激になる
- 雨の日でも室内で楽しく運動できる
注意点:
- 床が滑らないようマットを敷く
- 初めは転倒防止のため、手をつないでサポートする
② バランスディスク
クッション状の円盤の上に立ったり座ったりして使うグッズ。
座位バランスの改善や集中力アップにも効果的で、学習机のイスに置いて使う方法もあります。
メリット:
- 姿勢保持筋(腹筋・背筋)の活性化
- 授業中・学習時の集中力維持にも◎
- 座る・立つ両方の姿勢で使える
注意点:
- 空気を入れすぎると不安定になりすぎるため注意
- 長時間使用は疲れやすくなるため、短時間から始める
③ バランスボール
体幹やバランス感覚を楽しく育てるなら、バランスボールもおすすめ。
座る・弾む・転がすだけで全身の筋肉と姿勢制御を自然に刺激します。
おうち遊びの中で「姿勢づくり」や「集中力アップ」にも役立つアイテムです。
メリット:
- 無意識に体幹を使う練習になる
- 感覚刺激を楽しみながら運動できる
- 軽くて持ち運びが簡単
注意点:
- 転倒を防ぐため、初めは大人がそばで支えながら使いましょう。
- サイズは子どもの身長に合ったものを選び、空気の入れすぎに注意してください。
④ ツイスターゲーム
カラフルなマットの上で、手足を指定された色に置いていくシンプルなバランスゲーム。
遊びながらバランス感覚・柔軟性・身体の位置感覚(ボディイメージ)を自然に育てられます。
家族や友達と一緒に盛り上がれる、「遊びながら運動神経を育てる」定番アイテムです。
メリット:
- 手足を別々に動かすことで、協調運動(コーディネーション)能力を高める。
- バランスを崩さずに姿勢を保つことで、体幹筋や姿勢制御力を鍛えられる。
- 指示に従って動く遊びなので、聴覚的注意・ワーキングメモリの刺激にもなる。
- 友達や家族と遊ぶ中で、社会性・ルール理解を育てるきっかけになる。
注意点:
- マットが滑りやすい床では、下に滑り止めマットを敷くと安全です。
- 激しく動きすぎると転倒の恐れがあるため、十分なスペースを確保して遊びましょう。
⑤ バランスストーン
川の石をモチーフにした段差のあるバランス遊具。
不安定な足場を渡ることで、バランス感覚・下肢筋力・空間認知能力を楽しく鍛えられます。
カラフルで視覚的にも楽しく、遊びながら「体の使い方」を学べる人気アイテムです。
メリット:
- 高さや傾きを変えることで、難易度を自由に調整できる。
- 足の置き方を考えながら進むため、予測・判断力を育てる。
- 不安定な面での動作により、足底感覚と体幹の安定性を刺激。
- 屋内外どちらでも使え、連続動作やジャンプ練習にも応用できる。
注意点:
- 滑りやすい床ではマットを敷くなど、安全な環境で遊びましょう。
- 小さな子は転倒リスクがあるため、大人がそばで見守ってください。
■ まとめ:遊びながら「感じる力」を育てよう
バランス感覚は、単なる運動能力ではなく、
「自分の体を感じてコントロールする力」でもあります。
大切なのは、「できた・できない」よりも、
楽しみながら体を動かす経験を積み重ねること。
たとえ短時間でも、毎日少しずつ遊びの中で体を使うことで、
お子さんの姿勢・集中力・自信が確実に育っていきます。
すこっぴーラボでは、理学療法士の視点をもとに、
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