うちの子、猫背かも?最近増えている小中学生の猫背とその対処法【理学療法士が解説】

姿勢

「うちの子、姿勢が悪いかも…」「背中が丸まっているけど大丈夫かな?」
そんなお悩みを持つ親御さんへ。


理学療法士の立場から、
子どもの猫背の原因とその背景にある筋肉や感覚の働き、
そして、家庭でできる具体的な対策までわかりやすく解説します。

スマホやタブレットが身近になり、長時間のデスクワークも増えた現代の子どもたち。


その影響か、小中学生でも猫背や姿勢の崩れが目立つようになってきました。


姿勢は「クセ」と思われがちですが、筋肉や感覚の発達が追いついていないことで起きている場合も多くあります。

本記事では、

  1. 最近の子どもに猫背が増えている理由
  2. 姿勢を支える筋肉や感覚のしくみ
  3. 理学療法士が教える改善アプローチ

を中心に解説していきます。


1. 猫背が増えている背景とは?

最近の子どもたちに猫背が増えている理由は、次の3つが主な要因です。

① スマホ・ゲーム・動画視聴の増加

目線が下がり、頭が前に突き出た姿勢が長時間続くと、
背中の筋肉が引き伸ばされて緊張が保てず、猫背姿勢がクセになります。

大人の悩み事でもある肩こりやストレートネックもこれが原因ですね。

② 外遊びの減少と運動不足

本来、子どもは走る・登る・ぶら下がるなど、自然な遊びの中で筋力や姿勢を保つ感覚を育てていました。


しかし、コロナ禍以降、屋外で体を動かす機会が減り、体幹を支えるインナーマッスルが未発達な子が増えています。

③ 座る時間が長すぎる

学校・塾・宿題など、椅子に座っている時間が1日6~8時間にも及ぶ子どもたち。


長時間の静的姿勢は、疲労から体を丸めた楽な姿勢=猫背を引き起こします。

発達や健康の事を考えると1時間に1回以上は立ち上がって身体を動かすという事が必要だといわれています。


2. 姿勢を保つカギは「筋肉」と「感覚」

猫背=背中の筋肉の問題と思われがちですが、実は次の2つが大きく関係しています。

① 体幹の筋肉バランス

  • 腹筋・背筋のアンバランス:腹筋ばかり使われ、背筋が働かなくなる
  • 骨盤の傾き:骨盤が後ろに倒れると、自動的に背中が丸まる
  • 頚部前方位(けいぶぜんぽうい):頭が前に出ると、肩・背中も引きずられて猫背に

② 姿勢を感じる感覚の弱さ

姿勢を保つためには、体の状態を正確に「感じ取る」ことが必要です。
そのために重要なのが、以下の3つの感覚です。

  • 固有感覚:筋肉や関節からの「今どう動いているか」の情報
  • 前庭感覚:傾きや重力に対する反応(バランスを取る力)
  • 視覚:頭の位置や空間認識

これらが未発達だったり、うまく連携して働いていなかったりすると、
子どもは「正しい姿勢」がわからず、楽な(=崩れた)姿勢に落ち着いてしまうのです。


3. 理学療法士が勧める!家庭でできる猫背改善ワーク

では、猫背気味の子どもに対して、家庭でできる対策はあるのでしょうか?
答えはYESです。以下に、感覚と筋肉の両方に働きかける方法をご紹介します。

① 骨盤を立てる座り方を覚える「タオル座り」

  1. フェイスタオルをくるくる巻き、円柱形にする
  2. その上に「坐骨(おしりの骨)」が乗るように座る
  3. 自然と骨盤が立ち、背筋がスッと伸びやすくなる

② 感覚を育てる「片足立ちバランスゲーム」

  1. 片足で10秒バランスを取る遊び
  2. 慣れたら、目をつぶって or 頭にぬいぐるみを乗せてチャレンジ
  3. 前庭感覚と固有感覚の発達に効果的

③ 背筋を鍛える「うつぶせスーパーマン」

  1. うつぶせになり、手足を同時に浮かせる
  2. 5秒キープ × 5回を目安に
  3. 背筋、臀部、肩甲骨まわりの筋肉を強化

④ 姿勢チェックに使える「壁ぴったり立ち」

  1. かかと・お尻・背中・後頭部を壁につけて立つ
  2. この姿勢がキツイなら、猫背が強くなっている可能性あり
  3. 1日1回、10秒でも良いので習慣に

4. 日常生活で意識したいこと

  • 座る姿勢は足裏が床につく高さの椅子で
  • 勉強の合間に体を動かす時間をつくる(10分でもOK)
  • 「背筋を伸ばして!」ではなく、「壁に背中をつけてみよう」など体感を伴う声かけを

猫背の改善は、「やらされる」より「遊びの中で楽しむ」ことが続けるコツです。


まとめ

  • 最近の小中学生に猫背が増えている背景には、運動不足・長時間の座位・感覚の未発達がある
  • 姿勢を保つには、筋肉だけでなく固有感覚・前庭感覚・視覚の発達が重要
  • 家庭でもできる簡単なワークや姿勢の習慣づけで、姿勢改善は可能

お子さんの姿勢が気になったとき、
「叱る」のではなく「整える方法を一緒に探す」ことが、何よりも大切です。
成長期の今だからこそ、正しい感覚と筋力を育てるチャンス。
ぜひ、ご家庭でできるケアからはじめてみてください。

この記事、どんな人が書いてるの?と気になった方はこちらを見ていただけると嬉しいです

自己紹介 理学療法士 ゆうだい

コメント

タイトルとURLをコピーしました