転びやすい子どもの特徴とバランス感覚をグングン伸ばす方法

バランス

「うちの子、よく転ぶ…」「走るとすぐふらつく」
そんなお悩みを持つ親御さんへ。


理学療法士が、
体を支える“感覚”の仕組みから、家庭でできる楽しいトレーニングまで、
くわしく解説します!

お子さんが「よく転ぶ」「片足立ちが苦手」「階段の昇り降りでふらつく」


その原因は筋力不足だけではありません


実は、私たちが何気なく使っている「視覚」「前庭感覚」「固有感覚」という3つの感覚が、
お子さんのバランスや体の安定性を支えています。

この記事では、
1. 転びやすい子どもに共通するサイン
2. 3つの感覚が果たす役割
3. ご家庭ですぐ試せる感覚刺激ワーク
をまとめました。

遊びの中で楽しく繰り返すうちに、お子さんの“フラつき”はグッと減り、
“自信を持って動ける”体が育まれます。

1. 転びやすい子どもの3つの特徴

  1. 片足でバランスがとれない
    • 片足立ちを5秒以上キープできない
    • 歯磨きや着替え時にすぐ補助が必要
  2. 歩く・走るときに不安定
    • 足を広げ気味に歩く
    • 小さな段差でも足を引っ掛ける
  3. 座っていてもグラグラする
    • 椅子に座ると背中が丸まる
    • 床で遊ぶときに体が大きく揺れる

これらは「筋力不足」ではなく、感覚からの情報が脳にうまく伝わっていないサインかもしれません。

2. バランスを支える3つの感覚

2-1. 視覚(ビジョン)

遠近・地面の状態・周囲の障害物を“目”で捉え、足の置き場を判断します。


視線を動かしながらも体を安定させるために欠かせません。

2-2. 前庭感覚(バランス感覚)

内耳にある半規管・耳石器が、体の傾きや揺れをキャッチします。


体がどの方向に傾いているかを脳に伝え、姿勢反射を引き起こします。

2-3. 固有感覚(プロプライオセプション)

筋肉・腱・関節が伸び縮みを感知し、「今、自分の体がどの位置にあるか」を知らせます。
たとえば、目をつぶっても腕の位置がわかるのはこのおかげです。

これら3つの感覚が協調して働くことで、
「ふらつかず歩く」「片足で立つ」「ジャンプして安全に着地する」などの動きが可能になります。

3. 感覚を刺激する!ご家庭ワーク5選

ワーク① ブランコ&トランポリンで前庭感覚を刺激

  • ブランコ:ゆらゆら前後・左右に揺れる
  • トランポリン:上下の跳ね返りを体感
  • ポイント:初めはゆっくり→慣れたら“ジャンプしながら顔を左右に向ける”を追加

ワーク② バランス歩きで固有覚アップ

  • 使うもの:床にテープで直線を引く(長さ3~5m程度)
  • 遊び方:「じゃんけんで勝ったら足を前に」「負けたら後ろに」
  • ポイント:目線は前方、腕は肩幅で軽く広げて

ワーク③ 片足ワークで姿勢制御を強化

  • ミッション:タイマーで10秒、片足立ちチャレンジ
  • おまけ:ボールやぬいぐるみを頭に乗せながら
  • ポイント:足裏全体で地面を感じ、つま先・かかとを意識

ワーク④ 目をつぶってお散歩(視覚以外の感覚を活用)

  • 安全対策:室内で短い距離からスタート
  • 目的:視覚をオフにし、前庭感覚と固有感覚で体を支える練習
  • ポイント:壁や家族のサポートを受けつつ

ワーク⑤ かたいマット&クッションの「でこぼこ道」

  • セッティング:バスマット・クッション・毛布などを床に任意配置
  • 遊び:「地雷ゲーム」のように歩く
  • ポイント:足裏の触覚刺激と固有覚を同時に強化

4. 親御さん・先生へのアドバイス

  • 最初は“ゆっくり”から:不安定な動きを急にすると恐怖心を植え付けてしまいます。
  • できたことをほめる:失敗よりも、“挑戦したこと”を認める言葉がけを。
  • 環境整備も忘れずに:滑りにくい靴下、家の中の障害物除去など安全面の配慮を。
  • 継続がカギ:1日1回、5分でもOK。遊び感覚で毎日続けましょう。

まとめ

  • 転びやすさの背景には 「視覚」「前庭覚」「固有覚」 の感覚発達がある
  • 遊びを通じて感覚を刺激すれば、バランス感覚は着実に育つ
  • できた瞬間の「できたね!」が、子どもの自信の土台になる

バランスは“失敗→調整→成功”の繰り返しで育まれます。
ぜひ、ご家庭で気軽に取り入れてみてくださいね!

この記事、どんな人が書いてるの?と気になった方はこちらを見ていただけると嬉しいです

自己紹介 理学療法士 ゆうだい

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