はじめまして
理学療法士の ゆうだい です!
このブログでは、運動がちょっと苦手なお子さんのために、感覚統合や身体づくりについて、やさしく・わかりやすく解説しています。
今回の記事では、「子どもの気になる行動は、実は“体”や“感覚”の問題かもしれない」ということについて、専門的な視点からわかりやすくお伝えしていきます。
【結論】問題行動=心の問題ではないことが多い
「授業中じっとしていられない」「すぐに怒る・暴れる」
このような行動が目立つと、
つい「性格の問題かな?」「わがままなのでは?」と考えがちです。
しかし、実は
👉 体の使い方や感覚の育ちが未熟なために、行動に表れていることが多い
です。
たとえば、
- 座っていられない → 体幹の弱さ、姿勢保持の難しさ
- 落ち着きがない → 前庭覚(バランス感覚)が未熟
- すぐ乱暴になる → 自分の力加減や身体感覚がわからない(固有覚の未発達)
といったように、「からだの不安定さ」が“行動の不安定さ”に直結しているケースがたくさんあります。
【詳しく解説】子どもの動作を理学療法士はこう見ている
理学療法士は、ただ「できた・できない」だけを見るのではありません。
「どう動いているか」「どの感覚がうまく働いていないか」を読み取るプロです。
動作分析では、次のポイントを見ます。
姿勢・バランス
- 椅子に座っているとき、すぐにズルズル崩れてしまうか
- 床に座ったとき、ふらふらと揺れていないか
- 立っている姿勢はどうなのか
👉 これは体幹筋の弱さや、重力に対する感覚が育っていないサイン。
移動・運動
- 走る、ジャンプする、縄跳びする動作のぎこちなさ
- 何もないところで転びやすいかどうか
- 運動中の巧緻性はどうか
👉 身体のコントロールが未熟だったり、空間認知(自分の体がどこにあるか感じる力)が弱い可能性。
手先の使い方
- お箸や鉛筆、ハサミなど、細かい動作のスムーズさ
- 力加減が難しく、すぐに折れたり壊れたりしないか
👉 固有覚(関節や筋肉の感覚)の育ち具合が関係します。
【具体例】よくある子どもの「困った行動」を動作分析すると…
【ケース1】じっと座っていられない
→ 背筋を保つ筋肉が弱く、疲れやすいため
→ 「ふざけている」のではなく、「座ること自体がとても大変」
【サポート例】
・机と椅子の高さを体に合わせる
・バランスボール座りで体幹トレーニング
【ケース2】授業中に暴れたり、飛び出してしまう
→ 前庭覚が未熟で、動かずにはいられない
→ 自分の体の位置をうまく把握できないため、ぶつかったり、力加減を間違える
【サポート例】
・休み時間に大きな運動(ジャンプ、くぐる遊び)を取り入れる
・感覚刺激をこまめに入れる(体を揺らす、押し合う)
【ケース3】作業(書字・製作)がとても苦手
→ 手先を細かくコントロールする力が未発達
→ 指先の感覚も鈍く、力の入れすぎ・抜きすぎが起こる
【サポート例】
・粘土遊びや豆つかみゲームで手指の感覚を育てる
・道具の持ち方を工夫(太めの鉛筆、すべり止めつきお箸)
【大切にしたいこと】行動だけを責めないで
子どもたちは「わざと困ったこと」をしているわけではありません。
「できない」「うまくいかない」という小さな不安やイライラが、行動として表れているのです。
ですから、
- 「なぜこの子はこうなるのだろう?」
- 「体や感覚の発達に何かヒントがないかな?」
と、からだの視点で考えてあげることがとても大切です。
【まとめ】行動の奥にある“からだ”を見つめよう
お子さんの「気になる行動」は、もしかすると体と感覚の育ちからくるものかもしれません。
理学療法士の視点で動作を丁寧に読み解くと、叱るよりも、支える方法が見えてきます。
ぜひ、
✅ 姿勢
✅ バランス
✅ 感覚の働き
に注目して、あたたかく成長をサポートしていきましょう!
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