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感覚

子どもの「目と手の協調性」が弱くて文字が書けないのはなぜ?支援の方向性と家庭でできる工夫

小学校低学年になると、多くのお子さんは学校で「文字を書く」活動が日常的になります。しかし、中には「字を書くのがとても苦手」「書こうとすると形が崩れてしまう」「板書を写すのが極端に遅い」といった困りごとを抱える子もいのるではないでしょうか。その背景には「目と手の協調性」の難しさが関わっていることがあります。今回は、なぜそのようなことが起きるのか、どういった支援が有効なのか、そして家庭でできる工夫について、専門的な視点も交えて詳しく解説していきます。
姿勢

じっとしていられない子への室内支援|科学的根拠と理学療法士の視点から

「子どもがじっとしていられない」「座っている時間が続かない」――そんな様子に不安を感じる保護者は多いものです。これは必ずしも「落ち着きがない」ことを意味するのではなく、発達段階で自然にみられる特徴であったり、感覚刺激や身体の動きを求めることによるものです。理学療法士として強調したいのは、子どもの「動き」には意味があり、工夫次第で支援に変えられるということ。この記事では、科学的な知見と臨床に基づくアイディアを交えながら、室内でできる支援方法を紹介します。
発達

子どもの活動と発達のつながり 発達の4本柱〜家庭と園・学校でできること〜

先日の放デイ見学で、子どもは遊びの中からたくさんの学びを得て成長しているという事を再実感しました。遊びや日常の活動は、単なる「暇つぶし」や「楽しい時間」ではありません。実は、心と体の発達を支える大切な栄養のような役割を持っています。特に幼児期から学齢期にかけての体験は、将来の学習態度や人間関係、心の安定に直結していきます。今回は、家庭と園・学校でできる活動を交えながら、それぞれの活動がどのような発達につながるのかを整理してご紹介します。
雑談

「うちのような施設がなくても良い社会が理想」 ~放課後デイサービスを訪れて感じた、子どもの成長と関わりの本質~

先日、放課後等デイサービスを見学させていただきました。場所は「はとやま」にある、民家を活用した小さなデイサービス。玄関をくぐった瞬間、ふっと肩の力が抜けるような、不思議な温かさを感じました。どこか懐かしい匂い。畳の感触。そしてそこにいるのは、夏休み中の子どもたち。決まったプログラムがあるわけではなく、それぞれが好きな遊びを楽しみ、時にはスタッフと話し、時には友達同士で笑い合っています。「療育」を前面に押し出しはせず、むしろ「子どもの居場所」「遊び場」としての空気感が強く、20年前には当たり前だった地域の温かさを思い出させてくれる場所でした。
発達

環境の力を科学で紐解く 〜 子どもの成長・発達における親と環境の影響 〜

ふと疑問に思うことはありませんか?「この子の性格や能力は、生まれつきのものなのかな?」「それとも、私たちの関わり方や育つ環境で変わっていくのかな?」実は、子どもの発達には“生まれ持った特性(遺伝)”と“周りから受ける影響(環境)”が、複雑に絡み合って関わっています。親の存在はもちろん大きな影響力を持ちますが、それだけではありません。友達や地域、学校、そして親以外の大人との関わりも、子どもの心や能力を育てる大切な要素なのです。今回は、発達心理学や脳科学、そして日本国内の統計や研究結果をもとに、「環境が子どもの成長にどう影響するのか」をわかりやすく解説します。読んだ後には、日々の関わり方や環境づくりに、少し新しい視点が加わるかもしれません。
感覚

感覚統合の基礎と支援方法── 触覚・前庭覚・固有覚から考える子どもの発達サポート

子どもの「落ち着きのなさ」「姿勢の崩れ」「運動の苦手さ」や「集中力の低下」。これらの背景には、感覚統合の発達が影響していることがあります。感覚統合とは、私たちの脳が 視覚・聴覚・触覚・前庭覚・固有覚 など、複数の感覚情報を整理し、体や行動をうまくコントロールできるようにする働きです。この記事では、その中でも特に発達支援の現場で重要視される3つの感覚──触覚・前庭覚・固有覚について、それぞれの役割と発達を促す遊び方、家庭でできる工夫をまとめました。
姿勢

固有覚は「体の位置と動きを知らせる感覚」──力加減・姿勢・運動スキルの基盤

目をつぶっていても、自分の手がどこにあるか分かる。ペンを握ったとき、ちょうどいい力加減で文字を書ける。これらはすべて「固有覚」という感覚のおかげです。固有覚は、関節や筋肉にある受容器が、体の位置・動き・力加減を脳に伝える感覚で、姿勢保持や運動調整の基盤となります。この記事では、固有覚が子どもの発達にどう関わるのか、どのように育てられるのか、不足や過敏があるとどうなるのかを、科学的根拠と発達支援の視点から解説します。
感覚

前庭覚は「体のナビゲーションシステム」──姿勢・バランス・集中力を支える感覚

ブランコに乗って揺れを楽しむ子ども、くるくる回って大笑いする子ども。これらの遊びは、単なる“楽しみ”ではなく、「前庭覚」という感覚を育てています。前庭覚は、耳の奥にある器官で、体の傾きや動きを感じ取り、姿勢やバランスを調整する役割を持ちます。この記事では、前庭覚が子どもの発達にどう関わるのか、どうやって育つのか、そして不足や過敏があるとどうなるのかを、科学的根拠と発達支援の視点から解説します。
感覚

触覚は「安心感」と「学び」の入り口──子どもの発達を支える“皮膚感覚”の力

赤ちゃんが母親に抱っこされて安心するのはなぜでしょうか?それは、皮膚を通して得られる「触覚」の刺激が、脳と心に大きな影響を与えるからです。触覚は“最初に発達する感覚”であり、人の発達や学びの土台を形作ります。この記事では、触覚がどのように発達に関わっているのか、どんな体験で育っていくのか、そしてなぜ重要なのかを、科学的根拠と発達支援の視点から解説します。
感覚

暑い夏でも「感覚刺激」を上手に取り入れるには? “室内支援”アイディア

「暑くて外で遊べない」「クーラーの効いた部屋でずっと過ごしていると、子どもがイライラ・落ち着かない」こうした悩みを持つ親御さんは少なくありません。外で思いきり体を動かせないと、 “感覚刺激”が足りなくなり、子どもがソワソワしたり、かんしゃくを起こしたり、集中できなくなる.現場でもよく聞かれる課題かと思います。この記事では、なぜ子どもに感覚刺激が必要なのか、どんな感覚刺激をどうやって室内で補えばいいのかを、科学的な視点と家庭でできる工夫を交えてご提案します。